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よく、サーキットで、このコーナーはU字ラインが速いか?V字ラインが速いか?という話を耳にします。
これって、非常に重要なことです。
でも、単純にUかVか?と言われても何を基準にして組み立てればいいのかが難しいし、解りにくいと思います。
さて、クルマの特性(タイヤの特性を含む)によって若干の違いはあるものの、そのコーナーに最適なライン取りというものは確かに存在しますよね。
ラインを取る考え方としてはアウト・イン・アウトとか、アウト・イン・ミドルとか、ミドル・イン・アウトとか色々なライン取りパターンがありますが、今回のお話は、そこからもう1歩踏み込んで、このような道幅に対してのライン取りに加えて、ライン上でどのように荷重移動を変化させてコーナーリングするのか?という、より実践的なライン取りについてお話したいと思います。
そこで、前記のU字ラインとV字ラインが登場するわけです。
さて、ここに2つのコーナーがあります。どちらのコーナーもほぼ180度を折り返す形のヘアピンカーブです。
1つは、1速か2速か迷うほどの超低速コーナー(Aコーナーとします)です。4速から進入して3速→2速→1速(クルマによっては2速)と減速します。
もう1つは、4速で進入してきて3速→2速と減速して、立ち上がりで直ぐに3速へシフトアップするコーナー(Bコーナーとします)です。
違いは、もちろんコーナーのRです。Aコーナーは10Rで、Bコーナーは25RのキレイなRを描くヘアピンカーブです。
どちらのコーナーもアウトいっぱいから進入できるラインです。
さて、一般的には、AコーナーもBコーナーも、コーナーの形で言えばアウト・イン・アウトのオーソドックスなライン取りでクリアすると思います。
両方のコーナーをまったく同じラインでRだけ違うように考えると、基本はどちらのコーナーもU字ラインとなると思います。
どちらも、減速のタメにフルブレーキングして進入してきて舵をあてながらブレーキコントロールして旋回のタメに荷重を移し4つのタイヤのグリップを最高に高めてクリップに着いて、そのままの弧を描くようにクリッピングを舐めて徐々にアクセルを開けながらトラクションをかけて立ち上がる!という感じです。
でも、これでは話がここで終わってしまいます!
そこで、U字とV字の登場です♪
さて、この2つのコーナーのどちらがU字ラインが速く、またV字ラインが速いと思いますか?
その答えのヒントは、ずばり最大舵角です。
Aコーナーにアウトいっぱいから直線的にV字ラインを作ってアプローチしたとします。
直線的にアプローチするので、U字ラインと比べてブレーキングを奥まで我慢(という表現はあまりよろしくありませんが)することができますよね。ようするに突っ込みのスピードを稼げるわけです。
で、クリップ手前で一気に(この表現も勘違いされやすいです)ステアリングを最大舵角まで切ってクリップに着きます。そうした場合でもコーナーのRが小さいのでクリッピングにいる時間が少なく、素早くステアリングを戻すことができます。
で、素早くステアリングを戻すと同時にアクセルを開けて加速状態に入ることが可能となります。この脱出ラインも直線的に立ち上がることができるのでより早く全開になります。当然V字ラインなので距離も少なくできますよね。タイヤも縦に上手く使えて気持ちのよいコーナーリングができました。
さて、次はBコーナーをV字ラインで走ります。
こちらも、Aコーナーと同じようにアウトいっぱいから直線的にアプローチしながらフルブレーキングです。で、クリップ手前で最大舵角までステアリングを素早く切り込んで・・・、ん?あれ??思ったよりもクリッピングに着く角度がきついので、ステアリングを少し戻さなければインに落ちちゃうぞ!ちょっとステアリングを戻さなくては!!しかも、スピードが高いのでフロントタイヤの負担が物凄い感じだな〜〜〜!
んで、今度は直線的に立ち上がってと・・・、ん?またまた今度は余計にステアリングを切り足さないとラインが取れないぞ!あらら?ちょっと強引に直線的なラインを取って加速したらアウト側がいっぱい余ってしまった!これはちょっと遅いかも??
となってしまいました。ようするに高いコーナーリングスピードを実現するために4つのタイヤの横方向のグリップを上手く引き出せなかったというわけです。
この2つのコーナーの特徴は、Rがキレイなヘアピンカーブという例なので、このようにハッキリと分けた説明ができましたが、実際はクリップ付近のRが小さくなったり、またはRが進入側と脱出側で違っていたり、色々なコーナーが存在します。
そのコーナーの特徴によってタイヤをいかに縦に使うか?横のグリップを高めるか?で、ライン取りがV字かU字かが変わるというわけですね。
当然、前後のコーナーの位置関係および特徴によっても変わってきます。
その見極めは、最大舵角の時間が短くてスピードが低いほどV字となり、よりRを大きくとって車速を落としたくない場合ほどU字となります。
当然ですが、進入U字、立ち上がりV字もあり、反対の進入V字、立ち上がりU字もあります。それらを上手く組み合わせることによって、4つのタイヤのグリップをコーナーに適した方向で100%使い切ることが可能となります。
ということは、そのタイヤやクルマの特性に合わせてU字とV字を組み立てることもできるということですね。
さて、今回は、ライン取りと荷重移動の組み立て方と、それに合わせたタイヤの使い方の話しをしました。
サーキットでは毎周同じコーナーを走るので、この違いをしっかりと試すことが可能です。
ただ、ジムカーナのパイロンコースでは、今ひとつ解りにくいかもしれません。
でも、実際に多くのジムカーナドライバーを見ていると、このU字タイプとV字タイプの2つの走り方に分かれています。どんなパイロン配置でも、どちらかの走り方で走ってしまうドライバーがほとんどです。
でも、パイロンコースのライン取りにも、当然ですがこのU字ラインとV字ラインは存在します。
そこを上手く使い分けてラインを組み立てて、タイヤを使い切る荷重移動ができるように頑張って走り込んでくださいね。
また、この使い分けはタイヤのグリップが高い時や低い時、またはタイヤの山が有る時や無い時、そして走る路面のクセに対応することも可能となるのです。
最後に、もう1つ。
どんなに小さなV字ラインでも、クリップを狙ってステアリングを切ってはNGです。
ほんの一瞬でも「ステアリングを切り込んでクルマが曲がっていくと、そこにクリップが出てくる」というイメージで荷重移動をするということをお忘れなく! |