Room No.019    サイドターンは慣性ドリフトの仲間です

 ジムカーナでは、必ず必要になるサイドターン!その言葉のとおりサイドブレーキを使ってクルマを旋回(ターン)させるテクニックです。サイドターンと一言で言っても、そのやり方はクルマの駆動方式やタイヤのグリップによって微妙に違ってきます。ここでは簡単にサイドターンの理屈と操作方法のコツをお話ししたいと思います。

 サイドターンとは基本的にリアタイヤをスライドさせてドリフト状態に持っていくきっかけをサイドブレーキを強くかける(サイドレバーを引く)ことによってリアタイヤをロック状態にし、横Gがかかっている方向へリアタイヤを滑らせるまでのことを言います。そのままアクセルオンによってスライドを維持すればコーナー(フルターンを含む)をドリフト状態で走行することができます。では、どういう場合(コーナー)にサイドターンを活用するかと言うと、主に低速コーナー(パイロン・フルターンを含む)にアプローチする場合に使います。例えば、パイロンでの180°フルターンを例にすると、進入でリアタイヤが慣性でスライドする程のスピードでターンにアプローチしたとすると、180°向きが変わっても、あまりにも進入スピードが速すぎて進入した方向のGがクルマにかかっていて、立ち上がり(180°だから反対方向)方向へ十分トラクションがかからず加速が非常に悪くなってしまいます。ひどい場合にはクルマの向きは変わっても、後へさがってしまうこともあります(ようするにスピン状態)。では、十分にスピードを落として進入したとします。この場合はステアリングを切ってアプローチしてもスピードが低くてリアタイヤがスライドしてくれないので回転半径が大きくなってしまいます。FF車は、この状態ではステアリングをメイッパイ切り込んで、ひたすらクルマが旋回するのを待たなければなりません。むやみにアクセルオンをすると強いアンダーステア状態になってしまいます。4WDでも、基本的にはFFと同じことが言えます。FRやMRなどの後輪駆動車の場合はリアタイヤのグリップを失う程のパワーをかければホイールスピンが起きてスライド状態を作ることができますが、向きが変わって加速状態に移る時にトラクションのかかりが非常に悪くなりクルマが前に進まなくなってしまいます。そこでサイドターンが必要になってくるのです。では、具体的に操作方法を説明しましょう。まず、コーナー(パイロン)にアプローチする時に十分に減速しながらアプローチします。この時のスピードは、コーナーの深さにより決まります(もちろんタイヤのグリップによっても変わります)。90°、180°、270°、360°とターンの深さが増せば増すほど進入するスピードは低くするのが一般的です。で、取り合えず「ここだ!」という場所に来たらサイドブレーキ・レバーを思いっきり引いて(この時にFF車以外はクラッチを切ります)リアタイヤをロックさせる訳ですが、この時にどのくらいステアリングを切り込んでサイドを引くか?と言いますと、この場合もターンの深さによって違います。ターンが浅いほどステアリングを切り込む量も少なくなります。目安として90°向きを変えるところではステアリングの切り込む量も90°くらいです。180°ターンの場合はやはり180°くらいステアリングを切り込んでサイドブレーキ・レバーを引きます。ここまでは駆動方式による違いはあまりありませんが、180°以上のターンになると、ちょっと変わってきます。FRやMRの場合は180°以上のターンでもステアリングを切り込む量は180°までとなります。何故かと言うと、サイドブレーキによってタイヤをロックさせてスライドさせるのは実質90°くらいまでで、その後はアクセルオンによるホイールスピンによってスライドを継続させるからです。このアクセルオンによるホイールスピンが強すぎると向きが変わってから進行方向へ立ち上がるトラクションが強いホイールスピンによって失われてしまうので注意が必要です。大きくカウンターステアを当てなければスピンしてしまうようなアクセルオンはタイヤのトラクションを復活するまでに時間がかかってしまい立ち上がり加速が著しく遅くなってしまいます。理想は切り込んだステアリングはターンの立ち上がりまで戻さずに完全に向きが変わる一歩手前のタイミングで素早く直進状態に戻せるようなアクセルオンの量がベストです。このホイールスピンの量とステアリングを戻すタイミングは、ひたすら練習を積んで体で覚えるしかありません。後、注意することは、サイドブレーキ・レバーを引いてリアタイヤがロックしたら直ぐにクラッチを繋いでアクセルオンによるドリフト状態に持っていくことです。この時に進入スピードが高すぎるとリアタイヤのスライドスピードが早くなってステアリングを戻さなければ(場合によってはカウンターステアがこの時点で当たってしまう)ならなくなり、その後のアクセルオンのタイミングも遅れて、結局ムダにホイールスピンをさせないとターン(ドリフト)が継続できなくなってしまいます。これ、要注意です!リヤ荷重が大きいMR車はなおさらです。

 さて、次にFF車の場合です。

 FF車はリアタイヤをホイールスピンさせて旋回できないので、サイドブレーキでロックさせたリアタイヤを慣性で滑らせながらフロントタイヤの駆動によってフロントを巻き込ませてターンします。具体的には、まず180°までは、それほどFR車と違いはありません。90°ならステアリングの切り角も90°、180°ならステアリングの切り角は180°くらいです。そしてステアリングを切り込んだのと同時にサイドブレーキ・レバーを引くのもFRと同じですが、FFはここでクラッチを切りません。立ち上がりでタイヤのグリップが良すぎて半クラッチを使用する場合も基本的にはサイドブレーキを引く時はクラッチは繋いだままです。タイミング的には90°ターンも180°ターンも、ステアリングを切り終えた瞬間にサイドブレーキ・レバーを引くので、90°ターンは180°ターンより手前となります。そして270°、360°とターンが深くなった場合は、FRと違ってステアリングの切り角も270°、360°(1周)と増えていきます(360°以上のターンは基本的に360°しかステアリングは切りません)ので、サイドブレーキ・レバーを引くタイミングも遅くなっていきます。この時にスピードを落としすぎるとロックしたリアタイヤの滑りが止まってターンが出来なくなってしまいますし、反対に進入スピードが速すぎた場合はリアタイヤの振り出しが大きくなりすぎて、回り過ぎてしまいます。また、アクセルオンの強さは旋回スピードに合わせて調整しないと無駄にホイールスピンしてクルマが止まってしまったり、LSDが装着されたクルマはフロントがドリフトアウトで外へ逃げてしまいリアタイヤのスライドを相殺して旋回半径が大きくなってしまいます。ターンの旋回速度はせいぜい20km/hから40km/h(ターンの深さで変わります)程度なので、そのスピードを維持する程度のアクセルオンをすることがポイントとなります。それからFF車で要注意なのが、スライドを継続させるためにサイドブレーキを引きっぱなしで旋回しようとすると、リアタイヤの引きずりの抵抗でスピードが落ち、結局ロックしているリアタイヤを振り出せなくなりターンの途中で失速してターンが出来なくなることがあります。FF車で270°や360°もしくは、それ以上のターンをする場合はサイドレバーを引きっぱなしにするのでは無く、何回かに分けてレバーを引き、クルマの旋回スピードが落ちないようにすることが必要です。サイドブレーキはあくまでもブレーキなので、引きっぱなしにするとそれだけスピードも落ちてしまうのです。

 さて、最後に4WD車のサイドターンですが、4WDはフロント、センター、リアの3つのデフ(LSD)のセッティングによって、ターンの旋回半径が大きく変わってしまいます。例えばフロントデフがオープンの場合や純正のあまり効きが強く無いLSDの場合はほとんどFR車と同じ操作方法でサイドターンできます。FR同様、ステアリングの切り過ぎや速すぎる進入スピードには十分注意が必要です。フロントのLSDのキキがかなり強い場合は、ちょっと違う動作が必要になります。まず、センターデフのキキが弱い場合は進入での動作にあまり違いはありませんがフロントデフの巻き込みを利用する為にクラッチミートは、ちょっとソフトに行います。あまりガツンとクラッチを繋いでアクセルオンをするとフロントタイヤが外側に逃げて旋回半径が大きくなってしまいます(FFと似た感じですね)。次にセンターデフのキキも強い場合です。この場合は進入スピードをちょっと速めにしてサイドブレーキ・レバーを引くのと、ほとんど同時にステアリングを切り始めます。滑りやすく頭が入りにくい路面ではサイドブレーキを引いてリアタイヤをロックしてからステアリングを切り込む場合もあります。これは強いセンターデフとフロントデフによってステアリングを切り込んでからサイドブレーキをかけるとリヤだけでなくフロントにもブレーキ現象が出てフロントタイヤを逃がす原因となるからです。特にサイドブレーキ・レバーを引くときにフット・ブレーキも併用する場合はこの現象が強くでます。非常にグリップの高い幅広のSタイヤを履いてサイドターンする時は、ほとんどの場合フット・ブレーキと併用しますので要注意です。クラッチミートとアクセルオンは、そ〜っと行うと3つのLSDにより非常にトラクションが強いのでターンの途中でタイヤがグリップしてスライドが止まってしまいます。多少、高いエンジン回転でガツンとクラッチミートしてあげましょう。ただし、十分に横Gがかかってしっかりとリアタイヤがスライドしている場合のクラッチミートはそれほど急激に行う必要はありません。また、フロントのLSD効果でフロントがインに巻き込んで旋回(ターン)している場合は、リアタイヤのホイールスピンも最小限に抑えられるので4WDのトラクションを活かしメチャクチャ速いターンが可能になります。この状態に持っていく為には先程説明したとおり、進入で十分にフロントをグリップさせてフロントLSDのトラクションをフロントタイヤにしっかりと伝えることがポイントになります。フロントタイヤがインにクルマを引っ張りリアタイヤが後ろからクルマを押してくれる状態を作りましょう!

 さて、簡単に駆動別のサイドターンのコツを説明してきましたが、どのクルマでも、どんな深さのターンでも一番大切なことは「リアタイヤがロックしてスライドを始めるスピードをしっかりとコントロールする」ということです。そして、このリアタイヤがロックしてスライドするポイントでのクルマの動きは、当に慣性ドリフトでリアタイヤの滑りをコントロールするのと同じ様に自然な力でリアタイヤが必要な分だけスライドを始め、その後のアクセルオンによってそのスライドを持続させていけるように進入スピードをコントロールしてあげましょう。慣性ドリフトはタイヤにかかる横Gとタイヤのグリップとのバランスが大切ですが、サイドターンも同じです。ただ、サイドブレーキによってリアタイヤを振り出すということ以外は!! 

  と言う感じですが、どうですか?サイドターンのコツが掴めましたか?えっ!何となく理屈は解ったけど、実際に自分のクルマでどのような操作をすれば良いのか解らないって!?まあ、百聞は一見に如かずと申します。身近でサイドターンが出きる人の横に乗せてもらって操作とタイミングを覚えるのが最高の勉強になります。また、クルマの問題などで、どうしてもうまくターン出来ないという方は直接訊いてくださいね♪それでは、また!

   

 

 Room No.020    ドライバーとクルマは二人三脚だ!

 

 Room No.019    サイドターンは慣性ドリフトの仲間です

 

 Room No.018    慌てず素早く正確に!ステアリングワークの基本です

 

 Room No.017    人車一体・・それはどれだけ薄っぺらになれるか!だ

 

 Room No.016    余計なことは考えるな!手と足の先にタイヤがあるだけ

 

 Room No.015    タイム・アタックの時は脳みそを初期化しよう!

 

 Room No.014    オーリンズの美味しい食べ方・食事編

 

 Room No.013    オーリンズの美味しい食べ方・調理

 

 Room No.012    オーリンズの美味しい食べ方・レシピ編

 

 Room No.011    あなたは、どのタイプのドライバー?

   
   Room No.001 〜 Room No.030